「こり」をしっかり取っていきます。
触ってみて誰にでも明確に分かる形で筋硬結、すなわち「こり」を解消していきます。(詳しくは 「コリ」とは何か? をご参照ください)
「楽になった」「すっきりした」という満足感(主観)はとても大切な要素であることは間違いありませんが、当院では、患者さんご本人や身体の専門家でない方にも、触ってみて客観的に柔らかくなったことが分かるレベルでのコリの解消を目的として日々治療を行っております。
一般的に、鍼灸やマッサージ治療の「効果」という場合、(それを調べる実験・論文でも、患者様が「効いた」と判断される場合でも)「鎮痛(痛みが減った・無くなった)」を指しています。
実はこの点に注意が必要です。
遺伝子的に浅い鍼・優しい鍼でも鎮痛効果が出やすい集団(おそらく人口の半数ほど)がいることが分かっています(詳しくは 浅い鍼・軽い刺激の治療 をご参照ください)。このような鎮痛効果は数時間(~数日間)持続すると言われています。痛みを一時的でもカットすることは、現在、痛み研究の分野で解決されるべき中心的課題になっている質(たち)の悪い慢性痛に至ることを防ぐためにはとても重要なことであることは間違いありません。しかし物理的に筋硬結(こり)が柔らかくなっているか否かは全く別の話です。
その一方で、遺伝子的に鎮痛効果の出にくい集団(人口のおよそ3分の1)がいる事も分かっています。残念ながらこの集団にとっては、浅い鍼・優しい鍼による治療では鎮痛効果もこりの解消も起こりません。
当院では、このような生じるか生じないか分からない鎮痛効果ではなく、あくまでも根本原因であるコリそのものを解消して痛みを除去するということを主眼において日々施術を行っております。(詳細は鍼の鎮痛効果についてをご参照ください。)このルートであれば鎮痛効果が出やすいか否かという体質的な影響から離れて安定した効果が期待できます。
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