はじめまして!
数多くの治療院・施術所がある中、当院にご興味を持って下さりありがとうございます。
治療に関する詳しいことは他に記載してありますので、当院の治療の方針と治療の進め方についてご説明させていただきます。
まず、一般的な事柄として、
当院では、多くの鍼灸院・マッサージ治療院と同様、換気、手指消毒はもちろん、鍼は全て一回の施術で使い捨て(ディスポーザブル鍼)のものを使用するなど、安全・衛生面に配慮しております。
当院の治療の方向性
東洋医学に基づくツボ刺激的な(一時的)鎮痛はではなく、凝りを解消することにより(根本的に)痛みを除去することを目的としております。
認知度は高くても実は土台となる科学的根拠を欠く多くの治療法(骨盤の歪み・矯正、筋膜リリース、肩甲骨はがし、整体. . .など)と異なり、当院では生理学的な根拠に基づいて正攻法でコリを一つ一つ確実に取り除いていきます。
サイト内で色々と面倒なことを説明してありますが、それは鍼灸・マッサージが人の治癒力を引き出すために、ある種の「痛み」刺激を与えるものなので、施術する側としては治療中や治療後に生じる反応について理論武装しておかないといけないという必要性からです。あれこれ記載してあるのは、「理論」というよりも生理学的「事実」のご紹介という方が正確です。
「理論」という事について申し上げれば、当院で採用している治療理論というのは至ってシンプルで、要するに「当たればほぐれる。それにより血流改善して痛みが取れる。」という事に尽きます。
他院では再現困難なレベルでの精度で施術を行っておりますので、コリやそれによる痛みが改善されずお悩みの方はお試しください。他でコリが取れずお困りの方も実際には、極度にほぐれにくいような方はほとんどはおらず、鍼(マッサージ)の刺激の精度が悪くて鍼の効果が引き出せてない場合がほとんどです。
当院の一番の強みは
「スッキリした」とか「楽になった」という主観的な結果にとどまらず、「今日治療したこの部分が柔らかくなった」と触って分かる客観的な結果をご提供できることです。
主観的な変化だけでなく、氷が解けていくように小さくなっていくコリの客観的な変化を患者様と共有できることが施術者としての最大の喜びです。これが施術の精度を高めていくための研鑽を続けていく大きなモチベーションになっていますし、「この仕事を選んで本当に良かった」と日々実感しながら施術をさせていただいています。特にこれまで様々な治療法・治療院での施術を経験されて来られた患者様は、散々残念な思いを経験されてきているので「コリがほぐれる」という事に関して半信半疑、というか比喩程度にしか受け取っておられない事が多いですが、そういう方が実際にほぐれた状態を触って確認され驚かれる姿を拝見するのは嬉しい限りです。
鍼灸マッサージに限らず整体などを含めた手技療法の世界は得てして漫然と治療が行われていきがちですが、当院での治療の進め方としましては歯医者さんのような形を理想としています。つまり、まずは〇〇筋、次は〇〇筋...という具合に一つずつ確実にコリを解消していくやり方です。
コリの悪さやほぐれ方は人により異なるので進むペースはそれぞれですが、ある程度継続的に受療してくださる方には一番お勧めの方法です。
私がこの世界に入って約20年になりますが、当初驚いたのが人体や健康に関する事柄には嘘が多いという事です。嘘という言葉が不適切であれば、真偽が怪しい内容にもかかわらず満足に検証されないまま、あたかも正しいことかのように流通し定着している言説が非常に多いという事です。
いくつか例を挙げますと、
近年話題の“筋膜リリース”で言えば、まず筋膜が本当に癒着しているのか?癒着しているとしたら提唱されている方法で“リリース”されるものなのか?これらがまともに検証されないままいつの間にか市民権を得てしまっています。
少しでも人体の組織について勉強した人が冷静に考えた場合、本当に癒着していたら、可動域は日常生活に大きな支障をきたすレベルでかなり制限を受けるはずですし、痛みや違和感は相当強いはずです。そしてもし癒着しているとすれば、くっついた膜同士が外からの簡単な施術程度の外力ではがれるはずはありません。一歩譲って癒着がはがれるとした場合、膜組織は感覚がとても敏感ですからとても耐えられないほどの激痛に襲われるはずです。
同様に、“骨盤の歪み”・“骨盤矯正”などの概念も何でもかんでもこの一言で済まされてしまうマジックワードのように定着してしまっていますが、公正な検証に耐えられるような科学的根拠なんてありません。「仙腸関節が1、2㎜程度動くことがある」「出産時に動きが大きくなる」ことは正しいとしてもそこから様々なトラブルに結びつけるのは完全に論理の飛躍ですし、そもそも「動く」を超えて「歪む」なんて本来言葉にするのが恥ずかしいような完全におかしな主張です。歪んでいないものを矯正できるはずありません。
人体についての知識や理解の不足にメディアの情報操作が加わり…悪意さえ感じます。
他にも、一応通説とされていますが、
肩こりは本当に僧帽筋が原因?
腰痛の7~8割は原因不明でそのうちの多くは心因性って本当?。。。
ツボにしたって○○に鍼を打てば、△△の症状に効く、って本当なの?隣のツボではだめなの?
また、
“整体”という言葉が定着していますが、要はマッサージ師の国家資格を持っていないのでマッサージ・指圧と名乗れないことから生まれた言葉という業界事情が背景にあり、国家資格者を数ではるかに上回る“整体師”の出現でいつのまにか手技療法の主役のような現実が生まれてしまいました。
施術と少し離れて見ても、ダイエット関連産業やサプリメント業界、それから科学に名を借りていても
人間の脳は3%しか使われていない、などという有名な言説ももともとは何の根拠もなくある著名な学者が何となく言ったことに端を発しています。常識で考えれば97%も使わない無駄な部位を膨大なコストをかけて維持させておくはずがないのですが、結局数十年に渡って流布し続けました。
卵を食べるとコレステロール値が上がる、という話も(さすがに最近は言う人が少なくなってきたようですが)、一応実験を行って出た結果に基づいてなので根拠がありそうな話に思えますが、内容を確認すると、卵なんかを食べない草食動物のウサギに卵をたくさん食べさせたらそういう結果になった、といういい加減なものです。その後、肉食(雑食)のイヌで同様の実験を行ったらコレステロール値に変化なし、という結果が出てもそういった話はなぜか広まっていきません。
挙げればキリはありませんがどこからどこまでが本当に本当かが分からないことで成り立っている分野です。
約20年前に、自分が飛び込んだ世界がこのような状況であることを知った時に、
人体がブラックボックスであることをいいことに虚実が入れ替わっていることにショックを受けたのと、
自分が患者さんだったら「時間とお金を費やして治療を受ける以上、ちゃんとした治療を受けたい」と思うからこれだけは確実と言えるようなものを提供するようにしたい、と強く思いました。
もちろん身体はとても複雑でまだまだ分からないことが多く、分かっているつもりでも後々間違っていることが判明することも多くあるはずです。
しかし、現時点でこれは確かだろうと言えることが多くあるのも事実ですのでできるだけそういったものに基づいて治療を行っていきたいと考えています。
少なくともコリを取るという点に限って言えば、訳の分からない理論を持ち出すまでもなく、正確な施術によってきちんと解消できるのですから、当院ではできるだけ無駄な議論には付き合わず淡々とコリを取る作業を行っております。
1: 局所性はコリや痛みの震源地の血流が良くなりコリがほぐれたり痛みが治る効果、
2: 分節性は脊髄反射、例えば胃の高さの背中の筋肉に刺激を入れると体性―自律神経反射で胃の動きが変化するというような効果、
3: 全身性は、例えば手足に刺激を入れることで胃腸や心臓の動きが変化したり、脳内オピオイド(脳内麻薬)が分泌されて鎮痛(=痛みが鎮まる)が生じるなどです。
体質の違いなどにより全ての個人や、症状、状況において望んだようにこれらの効果を自在に引き起こせる訳ではありませんが、このような仕組みが実際に身体に備わっている、ということ自体はいずれも生理学的事実として科学的に明らかにされているものです。
鍼灸マッサージ治療に従事している人間であれば、東洋医学・西洋医学を問わず鍼灸・マッサージが、ある場面においてとても効くことがあるということは経験的に確信していると思います。
全部大事なのは当然です。問題は、この3つの中でどれをより重視するかという事ですが、当院では1の「局所を確実に治す」という点に重点を置いています。
日本(というか東洋医学)においては2,3の考え方が1よりも「格調が高い」とされておりますので2,3を重要視する治療院が多い中、当院のように正面から「1を最も重視しています」と宣言するのはかなり珍しいと思います。
局所に重点を置く理由は以下の通りです。
先入観や過去からの言い伝え、主流の考えであるかなどを一切廃して冷静に考えた場合、
今までの臨床経験から確信していることは、鍼灸であれ、マッサージであれ、「当たれば効く」「当たらなければ効かない(効いたとしても効果が小さい)」、とにかくこの一言に尽きる、ということです。
そして、2 :「分節性」効果も、3 :「全身性」効果も、結局のところ、1 :「局所」への正確な刺激により最大限引き起こされる、ということです。
そのため、当院では、最大の効果を引き出すために、とにかく局所に正確な刺激を入れる、という一点にひたすらこだわって治療を行っています。(*注)
局所への正確な刺激により大きな治療効果が得られますが、はじめて鍼を受ける場合の注意点として
凝っている部位に刺激が入ると「響く」という事です。状態が悪いほど響きは強くなります。
これはマッサージにおける「いた気持ち良い」という時と同じ神経が反応して起こります。ですので響きも、この「いた気持ち良い」に似た感覚ですが、悪い部位に物理的に直接触れるのでそれとはやや異なる独特の感覚が生じます。
そしてこの場合たいてい治療後しばらく(数時間)筋肉痛が出ます。運動後の筋肉痛と同じ感覚です。神経性炎症と呼ばれ、血液の途絶えていた悪い部位に血液が集まり治癒が正常に進んでいる印ですので喜ぶべき現象ですが、不快といえば不快です。
これもマッサージにおける「揉み返し」と同様の現象です。鍼の場合、悪い部位に物理的に直接触れるためもう少しはっきりとした感覚が出ます。マッサージの場合、揉み返しは刺激量・質の調整でほとんど避けることが出来ますが鍼の場合は悪い部位に当たればかなり高い確率で筋肉痛が残ります。
ごく稀にですが、コリの程度がかなり悪質な場合、(特に初回の治療後)しばらくの間「かえって痛くなった」、「感じ方がいつもと違う」、というような経験をすることもあります。悪いなりにバランスが取れていた(落ち着いていた)ところに刺激が入ったことで感覚が暴れる(起こっていることは上と同じですが悪い部位ではとても感覚が敏感になっているため神経性炎症で集まる血液や起炎物質などに強く反応が出る)ためです。状態が良くなってくると当然このようなことは起こらなくなります。
「響き」が特に問題ない方であれば、治療回数や時間に比例してどんどんコリがほぐれていきますので一番当院の治療とマッチする患者様になりますが、
「響き」や治療後の「筋肉痛」が苦手という方は、マッサージ治療が選択肢になります。
その場合、①深い部位でのコリを解消することが困難になること、②鍼と同様の効果を得るまで時間が掛かるというデメリットがあります。
ただ、この場合でも取れるコリは確実に取っていきますので、その点が何回治療を受けてもコリの解消が期待できない2:分節性,3:全身性の効果を目的とする治療やコリの解消を直接の目的としていない整体、骨盤矯正などとは根本的に異なります。
ある程度の響き・筋肉痛が受容できるという場合、
具体的には極細の鍼を使用したり、鍼の仕様(シリコン塗布の有無や鍼先の形状)を変えたり、刺し方に工夫をして対処しております。
一般的なイメージのように「ツボに鍼を一刺ししたら痛かった痛みが嘘のように消えた」というのは、現実には以下のようなごく限られた場合に生じる現象だと理解してください。
1.「コリや痛みの程度がさほど酷くない場合」「慢性に至らないものの場合」は局所をしっかり狙ったとしても大して響きも出ずスッとコリは解けていきます。筋肉痛もほとんど出ません。
2.また、コリの程度がひどい場合でも、コリそのものを解消しようというのではなくて鎮痛効果(全身性効果)を引き出す形にすれば痛みは一時的に楽になります。(少なくとも終わった時に余計痛くなった、という事態にはならないでしょう。)
→ 1.は理想的です。こういった患者様は、施術者の腕の良し悪しに依らないですし、鍼だけでなくリラクゼーション目的のマッサージでも整体でもカイロプラクティックでもストレッチでも半身浴でも何でも効きます。様々な治療法が淘汰されずに存続できる理由はここにあります。
患者様側からすると、お好みに従って選べる治療法がたくさんあることになります。
→2.治療する側からすると無難な線です。しかし、このやり方で根本的な解決を見ないことに困っている方々が必ず出るので当院はその方々を対象としています。
* 初診時は、他で鍼をたくさん受けた経験のある方であれば別ですが、通常、「お身体の状態の把握」と「刺激をどのくらい入れて良いのか」の確認 + マッサージ治療がメインとなります。鍼による症状改善のための本格的な治療は初回治療後の反応を待ってからとなります。
今でも沢山の練習を継続していますし、幼時から100歳近い患者様まで臨床経験を積んできております。普通に施術が出来ればほぐれないコリはありません。
より良い治療効果を引き出すには患者様からの正確なフィードバックが欠かせないので決して無理な我慢はなさらず、施術の最中でも構いませんのでご希望をお伝えくだされば幸いです。
(*注)
・3の全身性効果の特に鍼鎮痛(鍼麻酔)効果は、鍼の一番の神秘的、魅力的と思われる側面ではありますが実はそこまで大きな効果ではありません。少なくとも体質的な理由で全員に効果が出るものではない、ということが分かっています。(詳しくは鍼鎮痛についての一連のコンテンツをご参照ください)
・2(分節性)および3(全身性)の効果は、実際には巷で流布しているイメージ、あるいは教科書で説明されているよりも小さく、持続期間も短期的な効果だと当院では考えています。患者様も施術者も時間的・経済的資源に限りがあることを考えると、このアプローチは決して治療効果としても、コストパフォーマンスとしても高くないと考えます。ただし、日本においては反対意見の方が圧倒的多数であることを付記しておきます。