施術者紹介(経歴・保有資格)
施術者
(院長 : 志賀ツトム)
- 鍼灸師
- あん摩・マッサージ・指圧師
- 中央大学 法学部 法律学科 卒業
- 心身健康科学 修士
- [心身健康科学 博士後期課程 満期退学]
少年時代~中学: 身体を動かしたり手を動かすことが好きでひたすら運動や何か作ったり絵をかいたりして過ごしていました。勉強とは全く無縁の生活で小学校高学年~中学校時代は正月休み以外ほぼ毎日サッカー三昧でした。
中学3年生の部活引退後、急に暇になったので友達と何となく塾に行き始めましたが、それまでのサッサー部の練習がとてもきつかったので「ただ座っていればいいなんて、何て楽なんだ。」と強烈に思った記憶があります。
父が兄弟6人、全員男性、全員職人というような家系なので、私自身どう転んでもサラリーマンや公務員という職に行く可能性はゼロで、大学は法学部に進んでしまったので弁護士でも目指そうかとしばらく勉強しましたが、法学が自分にはあまりにも面白くなく、興味のあった身体にまつわること指先の感覚が生かせる仕事という事で鍼灸・マッサージの分野に進みました。
40を過ぎた今でこそ、人が生きるうえで社会科学が実はどれだけ重要かが痛いほど理解できるようになりましたが、もともと自然科学の方に強い興味を抱いていたので選んだ仕事としては自分には天職だと感じています。
保有資格ついて
当院では(他述のとおり”過敏になったポリモーダル受容器”を治療の第一目標と置いている限り)鍼とマッサージには質的な違いはないと考えているので、効果面と患者様の好みの等を勘案しながら、両方をうまく組み合わせて治療を行っています。
その他
大学院の修士課程では、社会疫学的見地から社会的な不平等が人々の健康に与える影響について研究いたしました。
一般に「健康」というと個人の問題と捉えがちです。通常、我々のような鍼灸師・マッサージ師のような職業もそのような観点に立って患者様個人の身体(場合によっては精神)的な状態を改善しようと様々な治療や、食事・運動・生活習慣などについてのアドバイスなどをさせていただくわけですが、実はこのような点をはるかに超える大きな影響を及ぼしているのが国(社会)の在り方だという事が社会疫学などの研究から明らかにされています。不平等な社会では人は平均寿命が短く、病気になりやすいことが分かっています。すぐにピンとくるお話ではありませんが、このことはこの分野の研究者の間では確固たる事実(solid fact)として認められています。確かに、当院での治療に直接影響するものではありませんが、健康というものを考えるうえで視野が広がりました。
他者との比較(社会的比較)が人の健康(精神的・肉体的)に影響を与えているということから、大学院の博士課程では他人と比較している時の脳の反応を(脳波の中の一分野、事象関連電位(ERP))研究しました。規定の単位を取得した後、そのまま博士号の学位取得まで続けるべきか迷いましたが、自分には机上の研究職よりも、臨床現場で鍼灸・マッサージなどの手技療法を用いてコリや痛みを取っていく方が社会の役に立てて自分も楽しいと思いましたので満期退学を選択しました。
今は社会疫学や、脳波やMRIなどの論文を読む機会はなくなり、もっぱら鍼灸マッサージに関する論文・文献ばかりですが、そのような論文がどのような実験(読む側は簡単に読んでしまいますが、実験を行うにはあらゆる細かいことに気を配らねばならず、本当に様々な苦労があります)を元に書かれていくのかということを、少しの間だけですが実験者・論文作成者の側を経験できましたので大変意義深かったと思います。